健康意識の高まりとともに、足りない栄養素をサプリメントで補おうと、する方法は今や当たり前になりました。ストレス対策に必須のビタミンCをたとえるなら、昔のミカンに含まれるビタミンCと現在とでは、含有量が大きく減少しています。
つまり、昔は1日に1~2個のみかんでビタミンCの摂取量は満たせていたのに、最近は、2~3個食べないと満たせないということです。この不足分はどうするか?と考えたときに「サプリメント」が欠かせません。
今や1 日に何種類ものサプリメントを愛飲しているサプリオタクや、仕事が忙しくて食事をする時間が惜しいから、栄養はサプリで摂るレいう強者もいます。実際にはまだ購入したことがなくても、テレビや新聞広告の派手な宣伝や「こんなに効果がありました!」という消費者の声を見るにつけ、飲んでみたいと思っている人、どれを飲もうかと迷っている人もいるかもしれません。
そこで気になるのが、本当に効くのかということと、摂りすぎの害はどうなのか?です。そもそも、これさえ飲めば病気がよくなる、健康になる、というものはありません。たいていの人はそれがわかっていながら、宣伝文旬を信じてしまうのです。
そして、ひざが痛むとグルコサミン、という具合に手を出したりするのでしょう。しかし、購入してせっせと飲んでもたいてい治りません。グルコサミンはそのままではほとんど体内で吸収されませんから。もし痛みがとれたとしたら、「飲んだから効くはず?」という思い込みによるプラシーボ効果が出たのかもしれません。多くのひざの痛みは、筋肉の衰えで神経を刺激してしまっているのですからリハビリで改善します。
こういった心理学的な効果は確認されていますから、結果的に治るのなら、それはそれで構いません。サプリメントはその程度の力、と思って扱ったほうがいいでしょう。人間の体は、もう何千年もの間、自然の中の食品から必要な栄養素を摂ってきたのです。
その歴史の中でも、もっとも食生活が豊かになっている現代になって、サプリメントから摂らなければ足りなくなる栄養素などありません。必要な栄養は、食べ物から摂れば十分なのです。一方、サプリメントの摂りすぎに問題はないのかというと、いろいろ指摘されてきています。
たとえば、大豆などのマメ科の植物に多く含まれるイソフラボン。更年期障害や骨粗鬆症、また、がんの予防効果があるとして注目されています。イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た構造をしており、エストロゲンが多いときにはエストロゲンの働きを抑え、エストロゲンが少ないときにはエストロゲンの働きを助ける、という作用があります。
女性の更年期障害や骨粗鬆症は、体内のエストロゲンが減ると発症する病気なので、イソフラボンを摂取すれば、それを予防する効果が期待できます。
しかし、試験管内での実験や動物実験などから、乳がんや子宮がん、前立腺がんの予防に役立つという研究例がある一方、乳がんの発症や再発のリスクを高める危険性を指摘する研究もあります。ましてや、大豆のイソフラボンとそれ以外の成分のバランスが異なる食品や、大豆イソフラボンのみを濃縮した食品の安全性は、確認できていないのです。
内閣府の食品安全委員会では、「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」において、大豆イソフラボンの安全な1日摂取目安量の上限値を70~75mg/1日とし、このうち特定保健用食品としての大豆イソフラボンの安全な1日摂取目安量の上限を30mg/日としています。
大豆イソフラボンは、豆腐1丁(300g) に約61 mg、納豆1 パック(50 g) に約36 mg含まれています。これを考えると、大豆イソフラボンをわざわざサプリメントで摂取するより、大豆食品から摂ったほうが、断然簡単で経済的と言えるでしょう。どうしてもサプリメントを摂りたかったら、高価なものはやめてビタミン剤程度にしておき、その分のお金を美味しい食事にかけたほうが、ずっと健康的な生活です。
パソコン作業が非常に長時間にわたり、目の疲れ、目の渇きなどで眼精疲労に悩まされている場合に、ルティンのサプリを摂ると改善することが確認されています。そのような時には、「高濃度ルテイン配合のソシア (SOCIA) の一目瞭然W」のようなサプリが役立つでしょう。
自分に本当に必要なサプリメントなのか?本当に効果があるのかどうかを見極めなければいけません。