野菜が栄養学の世界でとても注目されている一方で、現実には野菜嫌い、野菜離れの傾向が進んでいます。生のままで食べることができる野菜はまだしも、調理が面倒な野菜は、仕事を持つ忙しい人には敬遠されがちではないでしょうか。
そして、メイン料理の付け合わせとして用いられることが多い野菜は、主役にはなれずに重要視されてもこなかったのでしょう。
一日に摂りたい、野菜の目標摂取量というのがあって、厚生労働省により、成人一日当たりの目標が350グラムとされています。しかし、350グラム食べさえすれば内容はどんな野菜でも良いということではありません。栄養価は野菜の種類によって異なるので、理想的な栄養バランスのためには、いろいろな種類の野菜を食べることが大切になります。
調理法や調味料を工夫して食べる
野菜は健康な体に必要なものだと理解していても、意識しなければ、なかなか十分に摂取することはできません。調理の仕方や調味料などにも工夫をしてみましょう。エネルギーや脂肪が少ないのに「かさ」が多い野菜は、満腹感があります。しかし、反対にかさが多いと食べにくいということも考えられます。かさが増す葉もの野菜を食べるときには、加熱することでかさが減り、食べやすくなります。調味料では、塩分を控えめにしてオリーブオイル、スパイスや酸味をうまく利用すると良いでしょう。
野菜には、ビタミンやミネラル、食物繊維、各種の酵素、抗酸化物質であるβーカロテンをはじめ、ガンの予防などでも注目されている植物化学物質といったさまざまな栄養が含まれています。
野菜に含まれるビタミンは、主食となる炭水化物が体内でエネルギーに変わるのを助けてくれます。そして、摂取した栄養素が体内で利用されるためには、ビタミン類をきちんと摂取することが必要です。またミネラルは、生体機能の維持や調整に欠かせないもので、特に野菜に多く含まれるカリウムは、余分なナトリウム(塩分)を体外に排出するのを手助けして、高血圧の予防にもなります。なお、腎臓に病気があってカリウムの排出を十分にできない人は注意が必要です。また、かぼちゃや水菜など特に色の濃い緑黄色野菜には、骨や歯の形成にかかわるカルシウムも多く含まれています。
自炊をしない人であれば青汁でもいいでしょう。最近は、無添加で酵素入りの青汁があります。
野菜不足を補うために摂りたいのは
- βーカロテン10~30mg
- ビタミンC1000mg
- ビタミンE100~200mg
- 食物繊維5~10g