女性は、更年期になり閉経を迎えると、それに伴って女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が激減します。そうすると、骨粗しょう症のリスクが高くなります。骨粗しょう症は女性の病気と思われがちですが、男性の場合も骨がもろくなり、70歳を過ぎた頃から、骨粗しょう症になる人が増えるといわれています。自覚症状がほとんどないため、気づかないうちにじわじわと進行する病気です。
骨は、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収が繰り返され新陳代謝がおこなわれていて、常につくり替えられています。
エストロゲンという女性ホルモンには、この新陳代謝のバランスを保つはたらきがあるのですが、閉経後の女性はエストロゲンの分泌量が減るため、骨の新陳代謝のバランスが崩れて骨密度が低下し、骨粗しょう症の状態になります。一方、エストロゲンが急激に減少しない男性は、骨密度の低下が女性よりもゆるやかだというわけです。
丈夫な骨のための栄養
骨はおもにコラーゲンなどの繊維状のタンパク質と、カルシウムなどのミネラルからできているので、これらが骨にとって必要であることがわかります。
カルシウムを骨から出し入れするホルモンの分泌にはマグネシウムが関係していて、カルシウムとマグネシウムの量は2対1の割合で摂取するのが良いといわれています。
腸からカルシウムの吸収を促すにはビタミンDが必要で、骨折のリスクを低くするにはビタミンKの摂取が大切です。コラーゲンの結合組織として、ビタミンCには骨を丈夫にするはたらきがあります。また、女性ホルモンと同様のはたらきをするイソフラボンが、骨粗しょう症のリスクを減らします。
運動で転倒を予防する
骨粗しょう症になると、骨密度が低下して骨の中がスカスカになってしまい、ちょっとしたことで骨折をしやすくなります。
さまざまな研究が行われ、骨粗しょう症の予防や改善には、食事やサプリからの栄養摂取が重要ですが、運動することも重要であるということがわかっています。
骨を丈夫に保つためには、骨に負荷をかける運動が必要です。骨の材料となる栄養素を摂っても、骨に一定の負荷をかけないと、せっかく摂った栄養が有効に活用されないのです。
高齢者が転倒して骨折した場合、治癒が難しいだけでなく、横になって過ごすことで筋肉まで弱くなってしまい、寝たきりの状態になることも考えられます。
骨を丈夫に保つために摂りたいのは
- カルシウム300~600mg
- マグネシウム150~300mg
- ビタミンKメーカーの指示量
- イソフラボン30~60mg