不安感 を抑える カバ /カヴァ についての 効能 効果 や情報です。
恐れのシグナルを弱める カバ /カヴァ
不安は、現代人にとって「悪魔」 と呼ぶに相応しいものと言えるでしょう。夫は企業で、妻は近所付き合いによるストレスや不安に悩まされています。
また、子どもの教育や進学、就職も頭痛の種となる。そうなると心身が消耗し、感覚が鈍くなり、喜びも湧きにくくなります。創造性や効率も低下します。この状態が長引けば、本当の病気になってしまうでしょう。
不安は、わたしたち現代人の心身をジワジワと蝕む大敵なのです。「不安をやわらげる」と喧伝されるのがカバ /カヴァカヴァ ( 商品名は カバカバ もしくは カヴァカヴァ が多い) です。
カバは、低価格、安全、即効性の三拍子がそろったすぐれものサプリとして、ヨーロッパ、アメリカ、日本でも人気を博してきました。メラトニンと同様、カバも日本ではサプリとして認められていないのですが、インターネットを通じて自由に入ってきて人気商品になっています。
もともと カバ はポリネシア原産の低木ですが、この地方の人には、心に平安をもたらすことが 3000 年以上も前から知られていました。
そんなローカル色の強い神秘の飲料が、徐々に世界にも知られるよ、つになった。19 世紀にドイツの船員がカバを飲んだところ、淋病の症状がよくなったと確認された。これ以後、ドイツでは抗生物質ペニシリンが発見されるまで、カバは淋病の治療薬として利用されましたた。
1 9 6 0 年代になると、ドイツでカバの有効成分の研究が進んだ。そして、カバイン、メチスチシン、ジヒドロメチスチシンといった有効成分が特定され、「カバラクトン」と命名されましたた。その数が増え、今では 16 種類のカバラクトンが確認されています。
ポリネシアの原住民は、かつて カバ については、「たった 1 杯の カバ があれば健康的に、.そして自然にリラックスできます。テレビなんていらないよ。悩みも心配も暖かな海風でみんな吹き飛ばされて消えてしまうのさ」アメリカ、デューク大学精神医学部のデビッドソン教授は、 カバ は安心感や満足感を与えて、心配事から解放し、痛みをやわらげ、筋肉をリラックスさせる効果があると発表しています。
カバは、どんなしくみで不安を軽減するのでしょうか。このカギを握るのは、好き嫌いや恐れを発生させるアーモンドの形をした扁桃核のようです。
扁桃核は脳の真ん中あたりにあって、感情をつかさどる大脳辺縁系の一角を占めます。カバ が扁桃核に作用し、恐れのシグナルを弱めることによって不安を抑えると理解されています。
最近、これに加えて、カバは脳のブレーキに相当するギヤバ神経のはたらきを強めることも明らかとなりました。
このブレーキによって、記憶をつかさどる海馬や、呼吸、血液循環の中枢がある延髄の過度の興奮が抑えられ、不安が解消されます。
治験で実証された抗不安効果
言い伝えどおり、カバ は本当に不安を抑えるのでしょうか。この真偽を調べる治験は、これまで 1 件以上も行われてきました。治験参加者の総数は 7 00 人以上です。そしてほとんどの治験で、不安をやわらげる結果が得られています。ここでは、ハーブ先進国のドイツで行われた 2 つの治験結果を紹介します。
レーマン博士は不安障害に苦しむ 58 人を 2 グループに分け、一方に 210 mg のカバラクトンを 4 週間摂取してもらい、一方には偽薬を同期間摂取してもらいました。
治験開始の 1 週間後から、カバラクトン摂取グループは、偽薬グループにくらべて不安が軽減されていた。この違いは、治験が進むにつれてよりはっきりした。治験開始から4 週間後に診断したところ、不安が改善したのはカバ グループの52 %、一方、偽薬グループではわずか 17 %でした。
また、ボルツ博士は、不安障害に苦しむ 100 人を 2 グループに分け、カバあるいは偽薬を 6 ヶ月間摂取してもらい、両グループを比較しました。すると、8 週間後から効果があらわれました。
カバグループの75 % は不安が軽減しましたが、偽薬グループで不安が軽減したのは 51 % にとどまりました。
不安を軽減する目的なら、70 % のカバラクトンを含むカバを 1 日に300 mg 摂取するのがよいでしょう。1 日の摂取量 1 5 0 mg といった低用量でも調べられましたが、効果はやや低いようです。不眠症のための典型的な用量は、1日 2 1 0 mg です。
「危険」は否定できない
わずか数年前まで、カバ は安全なハーブとされていました。動物実験では、通常摂取量の 4 倍を与えても副作用はまったく見られず、ラットに通常の 13 倍を与えてはじめて、胃腸にやや不調が発生しました。
ヒトでもカバの安全性は報告されています。4 0 9 6 人が 1 日70 mg のカバラクトンを 7 週間摂取したところ、1.5 %に胃腸に軽い副作用があらわれました。
1 日2 4 0 mg に増量しても、症状が2.3 %に増えただけでした。
デューク大学のデビッドソン教授は、それまで発表されたカバに関する論文を調査し、2 0 0 4 年に「データから判断すると、不安治療に1日 2 8 0 mgのカバを 4 週間摂取しても安全である」という結論を、「中枢神経」誌に発表している。ところがである。CDC (米疫病対策センター) の200 2年1月29日付「週報」によると、1 9 9 9年からの3年間で、カバの摂取により、アメリカ、ドイツ、スイスで深刻な肝障害がいくつか発生したというのです。
これを受けたFDA ( 米国食品医薬品局 ) は、消費者や医療従事者に カバ ヘの注意を呼びかけました。そして、スイス、ドイツ、カナダ、日本ではサプリとしての販売が禁止されました。
しかし、これらの症例報告は、原因と結果の因果関係が十分にしめされていないとして、きわめて評判が悪いのです。
たとえば、カバ が含有されると表示されていないサプリを摂取した肝障害が数例と、カバ といっしょに大量のアルコールを摂取して肝障害が発生した例も数えられています。
カバ の摂取によって肝障害が発生した例もたしかにあります。だが、どれだけの量をどれだけの期間摂取したら肝障害が発生するかというリスクが、まだ不明確です。
そして、ハーブ研究で一流とされるドイツのシュルツ博士ヤアンケ博士などの研究者は、どの論文を調査してもカバの危険性は証明できないと述べています。
そもそもカバは、3000 年も人々に利用されてきたハーブですから、安全性は高いはずです。
では、どうすればいいのか。もし、あなたが不安を軽減するために カバ を利用したいのなら、肝臓に炎症が発生しないか医師の監視のもとで摂取するのがいいでしょう。肝臓に問題のある人や大酒を飲む人、肝臓にダメージを与える薬を服用する人は、カバを摂取するとリスクが高まると予測できます。
カバ 併用してはいけない薬
急性のジストニアを有する人は、カバ を摂取してはいけません。ジストニア というのは、しかめ面、眼の動きの変調、首の傾斜などの症状があらわれるもので、ドーパミン神経が抑制されることで起こると考えられています。
ジストニアが起こりやすいのは、クロルプロマジンやハロペリドールといった統合失調症薬を服用している人です。また、パーキンソン病薬のレポドパを服用すると、カバ のはたらきが減少します。肝臓機能を弱める薬を服用している人も、カバを摂取してはいけません。