体の疲れを早く回復させる

身体的な疲労には、2種類あります。まずひとつは、肉体労働などで筋肉を酷使した場合の疲れで、ふたつめは、デスクワークなど長時間同じ姿勢をとり続けることで生じる筋肉の部分的な疲れです。

筋肉を酷使して生じた疲れは、筋肉中に疲労物質が残って筋肉が張ってしまう全身的な疲労です。この場合の疲労の回復には、消費した栄養分を補給して休養をとるのが効果的な方法となります。

そして、デスクワークや車の運転などで同じ姿勢を長時間していたことで生じた疲れは、血液の循環が悪くなることで張りや凝りとなる筋肉の部分的な疲労です。同じ姿勢を続けたことによる筋肉疲労は、部分的な疲れであるにもかかわらず、体の全体が疲れたように感じます。この場合の回復には、さきほどとは逆で、筋肉を動かすストレッチや軽い運動をおこなうのが効果的です。

どちらの疲れの回復にも、夕食の時に、食べ過ぎや飲み過ぎをするによって内臓に負担がかかると疲労感がいっそう増すので、消化の良いものを食べるようにし、満腹ではなく腹八分目にしておきましょう。

デスクワークの疲れには運動と抗酸化物質

さまざまな抗酸化物質の中でもビタミンCとビタミンEは、毛細血管の健康を維持するために効果的なビタミンです。ビタミンCには血管の弾力性を維持するはたらきがあり、ビタミンEには血管を拡張するはたらきがあります。

また、ビタミンB1は疲労回復に必要なエネルギーの産生に効果的で、ビタミンB6は体力を回復するのに効果的です。もちろん、βーカロテンも重要な抗酸化物質です。

こうした栄養素を摂取することに加え、運動をする習慣を身につけることが大切です。習慣的に運動するようになると循環機能が高まり、必要な酸素と栄養素が体の隅々まで行き渡ります。すると、全身の機能が向上して、疲れにくくて回復も早い体になっていきます。

運動することで活性酸素が増加しますが、抗酸化物質の摂取で活性酸素の害は抑制できます。

体の疲れを早く回復させるために摂りたいのは

  • βーカロテン
    10~30mg
  • ビタミンC
    1000mg
  • ビタミンE
    100~200mg
  • ビタミンB1、B2、B6
    各5~10mg

朝スッキリ目覚める

目覚めが悪い原因とは

自分は毎朝スッキリ目覚めている、という人は、はたしてどれくらいいるでしょうか。

目覚めが悪い原因はいろいろと考えられるのですが、まず、すぐにできそうなことというと、血圧のチェックです。低血圧が原因となっていて目覚めが良くないのならば、それを改善しなければなりません。

血圧が正常だったら、睡眠不足やそれによる生体リズムの乱れで前日までの疲労を持ち越していることも考えられます。体を休めて疲れをとろうと自然に反応してしまうのです。また、ストレスなどによる精神的な疲労を回復させるのが大切で、これがうまく行われず、睡眠障害があらわれることも、目覚めが悪い原因となります。

朝起きたときに脳の活動に必要なブドウ糖が不足している状態だと、脳を休めようと反応するので、目覚めが悪くなるのです。

夕食でご飯などの主食類を必ず摂るようにして、さらに睡眠をじゅうぶんとることで、翌日まで疲れを持ち越さないようにしましょう。

朝が苦手な人はこちら

タンパク質で脳が覚醒する

疲労を回復するために、糖質は重要な栄養素のひとつであり、きちんと適量を補給することが大事です。糖質をエネルギーに変換するには、ビタミンB1が必要となります。

朝は1分でも長く寝ていたい、などと朝食を抜いてしまう人もいるかもしれませんが、ある研究では、低タンパク食よりも高タンパク食の朝食のほうが、目覚め作用が高いという報告があります。高タンパク食を摂るのが難しい場合には、例えばプロテインをジュースに混ぜて飲むだけでもよいです。とにかく、朝はタンパク質を摂って仕事に出かけるのを習慣にしましょう。

食生活がいつも不規則で、毎朝のように目覚めが悪いという人は、マルチビタミンを摂るとよいです。

朝スッキリ目覚めるために摂りたいのは

  • プロテイン
    7~20g
  • ビタミンB1
    5~10mg
  • マルチビタミン
    メーカーの指示量に添って

日中の眠気をとる

デスクワークをしている人は特に、仕事中なのに眠くてしかたがない、という人はいないでしょうか。デスクワークならまだしも、大切な会議中についウトウト、コックリなんてしていたら、上司からの評価も危ういところです。

私たちの体に備わっている生体リズムでは、午後10時から翌日午前2時までの4時間は体をしっかり休めるための時間に当たります。この時間帯は睡眠のゴールデンタイムといわれていて、この時間に起きているか、眠っているかで、日中の眠気に大きな差が出ることになります。

この時間帯に起きているとリズムが狂ってしまい、日中に眠気に襲われます。そして、毎日こういった状態を繰り返すことによって疲労が蓄積されていきます。生体リズムが変わってしまって、ボーッとすることが多くなり、日中はいつも眠い状態になってしまいます。

仕事の関係などもありますから、夜10時に寝るなんて無理だということもあるでしょうが、できるだけ早く就寝するようにして、睡眠をしっかりとって体を休めたいものです。

ただ、長く眠ればよいというわけではなく、何時間眠るのがよいのかは人によって違うので、翌日に眠気を感じずに過ごすためには、自分はどれくらい睡眠をとったらよいのかを知り、その睡眠時間を確保できるようにしましょう。

食事で血糖値を一定に保つ

食べ過ぎて、その後眠くなった経験はありませんか?食事をして急激に上昇した血糖値を下げようと、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは休息ホルモンともいわれ、眠気を誘うのです。

しかし、忙しさなどから食事を抜いてしまうと、糖質が不足して低血糖の状態となり肝臓で糖の合成が行われます。すると、脳を休ませようとして、眠気を感じるようになります。糖質は脳の大切なエネルギー源ですから、こうした変動には敏感です。

これらのことから、眠気に対しては糖質が多すぎてもいけないし逆に少なすぎてもいけない、ということがわかります。食事を上手に摂って血糖値をできるだけ一定に維持することで、眠気を抑えるのです。

糖を効率良く使うにはビタミンB群が必要ですし、脳の情報伝達を活発にするためのビタミンCやプロテイン、エネルギーの代謝を促進するマグネシウムも補給すると良いです。

日中の眠気をとるために摂りたいのは

  • ビタミンB1
    5~10mg
  • ビタミンC
    1000mg
  • プロテイン
    7~20g
  • マグネシウム
    100~200mg