ストレスに負けない

ストレスというものは、生きている以上、必ず私たちについてまわるものでしょう。

現代社会には、人間関係をはじめ、仕事や環境の問題など、さまざまなストレスの原因が存在しています。どうしても耐えられないようなストレスであれば、その原因となっているものを取り除かなければなりませんが、実際には避けられないストレスというものがほとんどではないでしょうか。

ですから、そのストレスと何とかうまくつき合いながら生活していかなくてはならないのです。しかし、ストレスとうまくつき合うことができてあまり影響を受けずに済む人もいれば、ストレスにとても弱く心や体の調子を崩してしまう人もいます。

いつもまわりの人に気を遣いすぎたり、何にでもマイナス思考だったり、そんな状態ではストレスが溜まる一方です。そして、長い時間ストレスがかかっていると解消するのにも時間がかかります。

ストレスの影響としては、過度な飲酒や食事をするようになったり、血圧の上昇や胃腸障害など症状が体にあらわれたり、抑うつ感や不安感といった心の症状があらわれてくることもあります。また、自分ではまったくストレスの認識がないという場合でも、体のほうはストレスに対し反応していることもあるのです。

体はストレスに対し防衛体制をとる

何らかの原因によってストレスがかかると、自律神経の働きをコントロールする脳の視床下部へ信号が送られ、交感神経を緊張させます。続いて脳下垂体へ指令が出され、そこから腎臓の近くにある内分泌器官の副腎髄質へと信号が送られます。

脳下垂体や副腎髄質からはホルモンが分泌され警戒態勢をとります。すると皮膚や消化器の血管が収縮し、心臓や肺の機能が促進され、筋肉への血流が増えます。例えば、突然恐ろしいことや驚くことが起こると心臓がドキドキしたり瞳を見開いたりするのは、こういった働きによるものです。

私たちの体は、ストレスに対してこのように反応し防衛体制を整えますが、ホルモンの合成にはコレステロールとビタミンCが必要になります。そこには酵素としてタンパク質も働いています。ストレス状態が長く続いているようなら、ビタミンCやタンパク質の補給をするとよいでしょう。

落ち込んだ気分を解消したり、気持ちを落ちつけたりするには、ハーブのセントジョーンズ・ワートなども役立ちます。

ストレスに負けないために摂りたいのは

  • プロテイン
    7~20g
  • ビタミンC
    1000mg
  • セントジョーンズ・ワート
    250mg

仕事の集中力をアップさせる

疲れをためない

今月のノルマを達成したい、今日は大切な用があるから残業しないで帰りたい、そういう時には、ここぞとばかりの集中力が必要になります。それなのにまったく集中できない、そんな経験はないでしょうか。

仕事での集中力というと、その日その時の調子ばかりが考えられがちですが、決してそうではありません。それまでに睡眠不足だったり、きちんと食事がとれていなかったりして、不規則な生活が続くことによって生体のリズムが乱れ、疲れやストレスを持ち越しているとしたら、集中力をアップさせるのは難しいのです。

まずは、できるだけ生活のリズムを一定に保つようにして仕事にのぞむためのコンディションを整えることです。大事な日の前日の夜には、早めに、主食を入れたバランスの良い食事を済ませ、睡眠をじゅうぶんにとりましょう。タンパク質が足りないと集中力を保てませんから、当日の朝には、タンパク質を豊富に含んだ朝食をとります。忙しい朝でも、何も食べずに出勤することだけは避けましょう。

集中力のレベルを高く維持しておくには、脳のエネルギー源である血中のブドウ糖を適正に保つことが大切です。仕事中ということを考えると、いつでも自由に食べたり飲んだりすることは難しいでしょうが、時間を上手く利用して糖分を補給し、低血糖の状態にならないようにしましょう。糖質をエネルギーに変換するには、ビタミンB1も必要になります。

タンパク質の摂取で情報伝達がスムーズになる

集中力を維持するには、脳内の情報伝達物質を適正なレベルに保ち、情報の伝達がスムーズに行われるようにすることも大切です。脳内の情報伝達物質のほとんどは、タンパク質からつくられます。ですから、血中のタンパク質をいつも適正量に保っておく必要があるのです。

脳の機能を促進するには、脳細胞を活性酸素から守り、脳内に過酸化脂質が増えるのを抑える抗酸化物質を摂取するのがよいでしょう。βーカロテンをはじめ、ビタミンCやEなどを補給するよう心がけましょう。

ただし、やはり、毎日の食事と運動と休養をバランスよく行うことが前提です。

仕事の集中力をアップさせるのに摂りたいのは

  • β-カロテン
    10~30mg
  • ビタミンC
    1000mg
  • ビタミンE
    100~200mg
  • ビタミンB1
    5~10mg

脳の働きを効率アップ

栄養と十分な酸素、血糖の供給にアンチエイジングをプラス

脳は体のすべての機能を担うとても重要な部分です。健康な脳を維持するためには、たくさんの酸素と血糖が必要になりますが、一方の酸素は血液中のヘモグロビンによって脳に運ばれ、もう一方の血糖は血液中にあるブドウ糖のかたちで脳に運ばれるので、脳への血液の循環がスムーズに行われ、それを保つことが重要なのです。

ですから、貧血、動脈硬化、高脂血症などの状態で血液の循環が妨げられると、脳は酸素不足、そしてブドウ糖不足に陥ることになり、働きが低下してしまいます。

また、脳の働きを良くするには、活性酸素から脳細胞を守り、細胞の働きを活性化することも大切です。この対策としては、抗酸化作用のあるビタミンのβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンEを摂取するのが有効となります。

私たちの脳には、体のほかの組織と比べてDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれることから、脳の機能とDHAの関係について、研究が進められているそうです。
DHAについてはこちら

情報伝達物質の量を増やすことも大切

脳内には、神経細胞の活動を高めるグルタミン酸をはじめ、ドーパミンやセロトニンなどさまざまな情報伝達物質があります。そして、それらの量を適正なレベルに保ったり、増やしたりすることで、脳の働きは高まります。

アセチルコリンという物質は、記憶の形成に使われるインパルスの伝達を促すのですが、このアセチルコリンの量については、一般に加齢に伴い減少していきます。それにより、歳を重ねるに連れ記憶力が衰えていくのです。

卵の黄身や緑黄色野菜などには、アセチルコリンのもととなるコリンという物質が含まれています。摂取されたコリンは、脳細胞に直に到達してアセチルコリンを生成します。

情報伝達物質はタンパク質がもととなっているので、プロテインの摂取も有効です。

脳の働きの効率アップに摂りたいのは

  • β-カロテン
    10~30mg
  • ビタミンC
    1000mg
  • ビタミンE
    100~200mg
  • DHA
    500mg
  • プロテイン
    7~20g

ストレスを感じているのは脳 | 健康メモ